天女のいいつたえ

先日、シンガーソングライターの海老原よしえさんが旅立たれた。

１７年前に伊那に移住して以来、突然歌が降りてきて歌うようになった。ツアーも行い、その歌や生き方に共感する沢山のファンが全国各地にいた。

前から噂は聞いていたが、直接知り合ったのは５年ほど前。長い付き合いというわけではなく、お会いしたのもバースデーライブや年に数度の催しだったが、私がよしえさんから受けた影響は決して小さいものではない。

自然に逆らわない生き方、カタチのない大切なものを見つめること、大切なことをちゃんと伝えていくこと。森羅万象と全ての人を愛すること。

その存在が多くの人を伊那の地に引きつけた。「海老原よしえさんが住んでいる伊那っていうのはどんなところ何だろう？」という人も沢山いた。それが縁で移住してきた人もいた。

それを見て、伊那のこれからの一つの姿が見えた気がした。この土地には人を引き寄せるエネルギーと何かを生み出すエネルギーがある。しかし、それを引き出すのはやはり人。

人が一番のパワースポット。伊那で生まれ育った人も、移り住んできた人も、一人一人の強みを生かして自分自身がパワースポットになる。

自分自身がそうなることももちろんのこと、多くの人がそうなることのお手伝い、きっかけづくりをしていきたい。

どこからか伊那に降り立ち、多くの歌や言葉、人と人とのつながりを残して、静かな別れを望んで天に昇っていった。

天女の伝説というのはこのようにして生まれるのかなとふと思った。

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